東日本大震災 大川小の悲劇
2011年に起きた東日本大震災で、児童74人が死亡し、学校管理下で最悪の津波災害となった、宮城県石巻市立大川小学校。
遺族が、市と県を相手に23億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、
先日10月26日に出され、仙台地裁は、学校側の責任を認め、
市と県に計約14億2660万円を支払うように命じました。
争点は 「 津波の予見性 」 でした。
市のハザードマップでは、同小は津波の浸水予測区域に含まれておらず、
過去に津波が同小まで来たこともなかったため、
事前に津波の襲来は予見できなかったと思われます。
しかし、当日午後3時30分ごろまでに、学校の前を通った市の広報車が、
津波の襲来と高台避難を呼びかける放送をし、教員が聞いていました。
にもかかわらず教員は、川沿いの場所を避難場所に選び、
津波にのみ込まれてしまったのでした。
裁判長は、高台避難を呼びかける放送を聞いた時点で、
教員は津波の危険を予見でき、津波を回避し得る場所に、
児童を避難させる注意義務を負ったと判断。
学校側の過失を認める判決となりました。
津波てんでんこ
大川小とは対照的に、釜石市内の小中学校では、全児童・生徒あわせて約3千人が即座に避難し、多くの命が助かりました。
その要因となったのが、地元に昔から伝わる 「 津波てんでんこ 」 の教えです。
てんでんことは、 「 てんでばらばらに逃げろ 」 という意味です。
家族は無事か、確認しに家に戻って災害に遭ったりしないように、
個人個人がとにかく高いところへ急いで逃げろという、
共倒れを防ぐための教えなのです。
津波てんでんこには、素早く逃げるという意味の他にも、
逃げる様子を見せることで、他者に避難を促す役割があったり、
親と子、教員と保護者、職場と従業員の家族など、
それぞれがてんでんこを事前に約束しておくことで、
「 各自が逃げてくれている 」 という信頼関係を築いておけます。
さらに、自分だけが生き延びた場合、「 てんでんこだから仕方がない 」 と、
罪悪感を和らげる効果もあるそうです。
「 津波てんでんこ 」 は、災害の事前・事中・事後に機能する重層的な
言葉であり、現在では、津波避難の大原則として広く認知されています。
ここから朝礼ネタ
先日、東日本大震災で、児童74人が亡くなった大川小の裁判の判決が出て、学校側の避難指示が不適切だったと被告側の過失が認められました。
大川小は、高台避難を呼びかける放送を聞いたにもかかわらず、
川沿いの場所に避難し、津波の被害に遭いました。
災害後の調べによると、
大川小の災害時の避難マニュアルには、実際には存在しない
「 近隣の空き地・公園 」 が、避難場所となっていたそうです。
大川小が実地避難訓練をしていれば、避難場所が実在しないことは
わかったでしょうし、
ひょっとしたら、避難訓練はしていたものの、マニュアルに書いてある
避難場所がないので、どこか適当な場所で行っていたのかもしれません。
マニュアルの見直しを定期的に行わなかったり、マニュアル自体を
ないがしろにした結果が、今回の被災の原因になったのだと思います。
仕事におきましても、マニュアルを見直すことと、マニュアルと違ったことを
していないかの確認を、定期的に行うことが大切だなと思いました。
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