逆転の発想が生んだ 「 シカ踏切 」
シカと電車の接触事故を減らそうと、近畿日本鉄道が導入した「シカ踏切」が絶大な効果を発揮しています。
運行時間帯はシカが嫌がる超音波で線路から遠ざけ、終電から始発までの夜間はそれを止め、自由に線路を横切れるようにするという画期的なシステム。
奈良、三重両県の大阪線の一部に設置したところ、事故件数が激減し、他の鉄道会社も試験導入を始めています。
山間部などの路線が多い近鉄では、野生動物との接触事故は毎年200件以上にものぼり、事故件数は平成27年が288件で、ここ10年で約7倍に増えていました。
特にシカの場合、天敵のニホンオオカミが絶滅したことに加え、狩猟人口の減少で捕獲数が減り、生息数は年々増加しているとみられています。
近鉄は、接触事故を防ぐため、これまでにLEDライトの照射、柵やロープといった対策を行ってきましたが、効果はありませんでした。
そこで対策チームは、監視カメラでシカの行動を観察。
移動経路や滞在時間など、詳細なデータを記した「鹿カルテ」を作成しました。
すると、シカには線路を挟んだ両側にある生息域を行き来したり、鉄分補給のためにレールをなめたりする習性があることが分かりました。
「だったら、シカの通り道をふさぐのではなく、安全な時間帯だけ渡れるようにできないか。」
そう考えたのが、「シカ踏切」の始まりだったそうです。
安全のために人間が踏切を使うように、シカも安全のために踏切を使う。
踏切に入れないのではなく、安全な時に踏切を通らせる。
逆転の発想が生んだ「シカ踏切」は現在、近鉄が大阪線の青山町-伊賀上津駅間(三重県伊賀市)で設置準備を進めており、別のエリアでも導入を検討中。
伊豆急行(静岡県)やJR西日本など、別の鉄道会社も試験導入を始めたとのことです。
ここから朝礼ネタ
以前聞いた話ですが、アメリカの冷蔵庫売りの営業マンの話というのがあります。
その営業マンは、営業成績が頭打ちになり、考えた末に、「物を暑さから守るため」の冷蔵庫を、逆転の発想で「寒さから守るため」に、アラスカへ売りに行ったそうです。
冷蔵庫よりも寒いアラスカでは、室外に食品をストックして、鮮度を保つことができます。
しかし雪が吹雪いたりする日に、室外に取りに行くのは大変ですし、凍りすぎて調理もしにくい。
冷蔵庫は、寒すぎるアラスカで、適温で食材をストックできるというメリットがあったのです。
結果、アラスカは、アメリカの冷蔵庫販売の1つの大きな市場となったそうです。
こういった逆転の発想は、すごく大事だと思います。
私も、よく仕事で、「時間がない」という言葉を使ってしまいます。
時間がない。だから、こうする。
スペースがない。だから、こうする。
「ない」時こそ、アイデアがでるチャンスだと思います。
発想を豊かに、仕事に取り組んでいきたいと思います。
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